フミヱ記念援助会10周年おめでとうございます

神奈川県湘南地域県政総合センタ-

副所長 萩 原 勝 治

 

特定非営利活動法人フミヱ記念援助会が、このたび、創設10周年を迎えたことにつきまして、心からお喜び申し上げます。

これまで、医療・福祉の道を目指す約70名の高校生が、援助会から入学金の助成を受け、有意義な学生生活を送り、卒業後は社会で活躍されているとお聞きしました。その間の関係者のご尽力に敬意を表します。

さて、私と貴会との関係ですが、貴会の創設時にご相談を受けたのが始まりです。当時、私は県教育委員会の高校教育課に勤務しておりました。貴会の理事長である櫻井さんから、医療・福祉の道を目指す県内高校生を支援するため、奨学金を創設したいが、どのような制度がよいのか、また、どのように周知したらよいのかなど、相談に乗ってほしいとのことです。

高校生にとって大変ありがたいお話です。高校教育課は、県内高校生に対する奨学金を所管しておりましたので、その奨学金制度を参考にしながら、考えました。10年前のことです。細かな点は忘れてしまいましたが、意欲と能力のある高校生が応募し易く、かつ、選考・支給事務も簡素ですむような奨学金制度が良いのではと助言したと思います。

奨学金の創設後何年かして、奨学金を受給し、卒業される方々を囲んだパ-ティがあり、私も出席させていただきました。その際、初めて奨学生にお会いしましたが、皆さん、目的意識を持ち、熱心かつ誠実な方々ばかり。医療・福祉の現場で活躍される様子が目に浮び、頼もしく感じました。

 

さて、私は神奈川県職員ですので、貴奨学金にも関連する本県の重要な取り組みのひとつをご紹介いたします。

本県では、今、ヘルスケア・ニュ-フロンティアを推進しています。

ヘルスケア・ニュ-フロンティアとは、急速に到来する超高齢化社会を乗り切るため、誰もが元気で長生きできる社会を目指す神奈川の新たなプロジェクトで、二つのアプロ-チでこの課題を解決しようとするものです。

一つは、未病を治すというアプロ-チです。心身の状態は、健康か病気かという二つにわかれるものではなく、健康と病気の間には緩やかな変化の部分があります。これが未病という状態です。未病を治すため、食や運動、社会参加などによる着実な健康づくりを進めます。

もう一つは、最先端医療や最先端技術の追求というアプロ-チです。iPS細胞に代表されるように、日本は世界をリ-ドする基礎研究が多くありますので、これを神奈川で、革新的な医療として実用化し、産業として育てようとするものです。

こうした取組みを進めていくためには、様々な分野で有用な人材の確保が不可欠です。医療・福祉分野の人材育成を支援する貴会の援助活動は、今後益々重要性を増すと思います。

会の活動を継続していくためには、様々なご苦労があると思いますが、明日の神奈川、明日の日本を担う医療・福祉人材の育成のため、引き続き、関係の皆様のご尽力を心からお願い申し上げます。また、奨学生のますますのご活躍を祈念いたしまして、10周年のお祝いの言葉とさせていただきます。