創設10周年をお祝いして

神奈川県教育委員会教育局指導部

高校教育指導課

指導主事 渡貫由希子

 

特定非営利活動法人フミヱ記念援助会が創設10周年をむかえられましたこと、心からお祝い申し上げます。

また、日頃より、県立高校生に多くの御支援をいただき、本当にありがとうございます。

私は、平成234月に高校教育指導課に着任し、前任者からフミヱ記念援助会につきましても引継ぎました。フミヱ記念援助会は、保健・医療・福祉の分野の専門職を目ざして県内の上級学校に進学する県立高校生に対して、多大なる助成をいただいているとうかがって、非常に深い感慨を抱きました。

また、平成23年といえば、311日の東日本大震災があった年でもあります。早速5月には、櫻井理事長から、被災された方に対して何かできないか考えているとのお話がありました。そして、この年の秋に出された募集要項からは、被災地から神奈川県内の高校に転入し、保健福祉系の大学等に進学を希望する生徒についての「特別枠」が設けられたことが印象に残っています。

昨年度に御報告いただいた事業実績の資料によれば、平成24年度までに、48人の県立高校生が助成をいただいたとのことです。その後卒業された方たちは、現在、県内の保健・医療・福祉分野で活躍されている方もいると思いますし、大学等に在学中の方は、将来の専門職を目ざして一生懸命学んでいることでしょう。

高齢化が進む中、保健・医療・福祉の分野で活躍できる人材は、今後、益々必要になってくることが予想されます。県立高校においては、生徒は、家庭科、公民科、保健体育科、福祉科、看護科などの授業で高齢社会について学んでいますが、そうした中で、将来の職業として看護師や理学療法士、介護福祉士などの専門職を考えたときに、進学費用の助成という形で、生徒の夢を後押ししていただけることは、大変意義深い事業であると感じています。

フミヱ記念援助会の助成を受けて進学した生徒たちが、それぞれの職場で、人の役にたつことの喜びを感じながら、神奈川県の保健・医療・福祉分野を担う人材として、立派に活躍していくことを願っています。

最後に、フミヱ記念援助会のますますのご発展を祈念いたしております。